ソニーのフルサイズ一眼新機種、α7R IIIが発表された。外観は現行機種のα7 IIと似ているが、細部やエンジンが刷新された別物だ。4240万画素、399点像面位相差AFセンサー搭載、デュアルスロットとモンスタースペック。
そんな中、α6500を導入
そんな中、同じくフルサイズ一眼のα7 IIを長らく使ってきたけど、手放してAPS-Cセンサ搭載のα6500を買った。ある意味スペックダウンだけど、個人的には大満足できる選択だった。
フルサイズ一眼は大きく、重い
デジタル一眼レフはセンサーの拡大と共に肥大化を続けている。α7 IIはボディ+バッテリー、メモリーカード込みで599gなのに対して、α6500は453g。初めて買ったミラーレス一眼NEX5は287gだったのが驚き。α7 IIはほぼ倍の重量になっている。
レンズもフルサイズ対応のものは大きく、重い
フルサイズ用のSEL2470Z(24-70mm F4)、APS-C対応のSEL1670Z(16-70mm F4)はズームレンズで似たスペックを持つ。重量はSEL2470Zは426g、SEL1670Zは308g。
ズームレンズ込みの重量
α7 II+SEL2470Z 1,025g
α6500+SEL1670Z 761g(-264g)
単焦点レンズ込みの重量
α7 II+SEL55F18Z 880g
α6500+SEL35F18 607g(-273g)
-264gのための再投資
NEX5、RX100、色々なカメラを使ってきて、スペック的に最強で集大成として手に入れたはずのフルサイズ一眼α7IIはいつの間にか引き出しに入れっぱなしのカメラになっていた。これまで使ってきたカメラの中では使用した時間は圧倒的に少ない。
その原因は大きさと重さ。
α6500にスペックダウンすることで-264gの軽さを手に入れることができた。これは意外と大きい。まず家の中で使う頻度が増えた。1kg越えの一眼は家の中でも持ち出すのが億劫になってしまうがα6500は持ち出せる。カメラバッグを持ったことがない自分にはα7IIのボリューム感のあるサイズを持ち運ぶのは悩みの種だったが、α6500は家の外にも気軽に持ち運べる。
軽さを追求するとフォーサーズ規格など、より小型センサーのものもあるが、ボケ、明るさが弱くiPhoneと撮れる絵の差が少なくなってしまう。α6500に搭載されているAPS-Cはバランスが取れている。
欲しい機能は網羅されているα6500
α6500は抜群にバランスが良い。ソニーのホームページでもオールラウンダーと評されているように4Dフォーカス、光学式5軸ボディ内手ブレ補正、4K(QFHD:3840×2160)映像記録と必要十分なスペックを持っている。
イメージセンサー技術のショーケース化
最近のソニーのカメラは、製品単体での最適解ではなく、イメージセンサー事業のショーケースとして上位機種を開発する傾向が強くなったと思う。
RX100シリーズも機能進化が著しく、バージョンがどんどん上がっているし、α7シリーズも然り。SやRといった尖った機能を持つシリーズがラインナップに加わり、先進的なテクノロジーがパッケージされているのだが、実際はほとんど使わない。そういった意味でα6500は使う機能が最適にパッケージングされていると感じる。
仕様表を作って機能を一つ一つ比較していくと、α6500はα7IIやα7IIIにかなうところはないはず。
初代NEXから続くミラーレスならではのミニマルなデザイン
初めて買ったミラーレスNEX-5のデザインは今でも好き。ミラーレス一眼だから光学設計に必要不可欠だったアイコン的なミラー形状を排し、レンズとボディだけにしたミニマルな思想。残念ながら搭載されるテクノロジーの高度化で、ボディは大型になってしまっているがα6500は同じ思想が残っている。
逆に後継機種であるα5100はレンズ部が上部に突出するデザインへ変わってしまい、初代の良さが薄れてしまった。
α7をベースにしたデザインは、どうしても高機能化という差別化のための無駄を感じてしまう。実際かさばる大きさで使いにくかった。
α6500を楽しむ。レンズを色々物色中。
α6500は本当に使いやすい名機。
何より大きさ、重量、性能のバランスが取れているので持ち出せる、楽しい
α7IIとの実使用上の違い(ショーケース化のための新機能を除くと)はセンサーのサイズがAPS-Cくらい。個人的にはAPS-Cでも十分すぎるくらいの高画質だ。フルサイズって所有欲を満たすくらいで目で見てわかる差はないのでは(アマチュアには)。
最近はZEISSのズームレンズの他に、単焦点レンズも買い足したり、写真を撮る機会がα7II以前に戻っている。自分にはセンサーの大きさより、機動性が重要だった。