Financial Independence, Retire Early
FIREとはFinancial Independence, Retire Early の頭文字。経済的に独立して早期退職する事。ミレニアル世代に共感を集める考え方。2018年にFIREムーブメントとしてアメリカで注目を浴びた。
FIREムーブメントの火付け役となったのがブログ Mr. Money Mustache で自身の経験をまとめているPete Adeny。20万ドルの家と60万ドル資産が貯まった30歳で会社をリタイア。こちらはGIZMODOにわかりやすくまとめてあります。
FIREの達成には、収入を増やす費用を減らすことで貯蓄率を最大化。結果的に生じる配当や利息で永続的な生活費を得る。FIREムーブメントでは4%ルールが提唱されており、貯蓄のゴールを年間支出の25倍と定めている。経済的自立を得ることでお金のための仕事を早期リタイア、本当に自分にとって必要な仕事を行うことができる。
https://en.wikipedia.org/wiki/FIRE_movement
積極的な貯蓄
FIREではフィナンシャルプランナーによって一般的に推奨されている10〜15%をはるかに超える積極的な節約で達成できる。例えば、
- 10%の貯蓄率では、1年間の退職のために貯蓄するのに(1-0.1)/0.1 = 9年間の仕事が必要です。
- 25%の貯蓄率で、1年間の退職のために貯蓄するには(1-0.25)/0.25 = 3年間の作業が必要です。
- 50%の貯蓄率では、1年間の退職のために貯蓄するのに(1-0.5)/0.5 = 1年間の仕事が必要です。
- 75%の貯蓄率で、1年間の退職のために貯蓄するには(1-0.75)/0.75 = 0.33年間の仕事が必要です。
4%ルール

ポートフォリオを積極的に積み上げ、そこから配当を得て生活費としていく考え方。先述したPete Adenyはソフトウェアエンジニアとして$67,000(約740万円)の年収を得ていました。当時のパートナーもほぼ同額の年収だったようなので世帯年収は1500万円弱。$600,000(約6600万円)のポートフォリオ、$200,000(約2200万円)の家を手に入れた30歳でリタイア。年間$25,000(275万円)の配当を得ています。ちょうど4%。
Let’s stay home

New York Timesで紹介されているCarl Jensenは$110,000(約1200万円)の年収を得ていた。仕事は医療機器向けのSE、コーディングのエラーが患者の命に関わるという高いプレッシャーからのストレス。仕事が終わってもトイレから出られないような生活で10 pounds (約5kg)も痩せてしまうほど。彼は妻と相談して5年間支出を最大限抑えることで$1.2 million(約1億3200万円)のポートフォリオを43歳で築きリタイア。4ベッドルーム、4バスルームのマイホームをFIRE中に手放し、より控えめな家へ。現在は$40,000(約440万円)の配当で生活。
Your Money or Your Life
Jason Longはテネシー州で薬剤師として$150,000(約1650万円)の年収を得ていた。同じく仕事では過度のストレス。家を買い、ポートフォリオが$1 millionを超えた頃、仕事を辞めた。
Our aim was not just to have a whole bunch of people quit their jobs, Our aim was to lower consumption to save the planet. We attracted longtime simple-living people, religious people, environmentalists.
私たちの目的はただ人々に仕事を辞めさせることではない。消費の節約で地球を守る。シンプルな暮らしを実現する人、思想を持った人々、環境保護主義者に惹かれてきた。
共通するのは現役時は年収1,000万円オーバー。ハードワークして稼いでそれを浪費するのではなく堅実に貯めて地道に実現している感じ。
批判的な見方も
一部の批評家は、FIREの動きは「金持ちのためだけのものである」と主張、低収入でFIREに必要な高い貯蓄率を達成することの難しさを指摘している。また、FIREの退職期間が潜在的に70年続くかもしれないので、評論家はこれまで一般的だった30年の退職期間のために開発された4%ルールを適用することは不適切であると言います。
実例として出てくるのは年収1000万円オーバー。確かに1億円貯めるのはそのくらいないと難しいかもしれません。
4%ルール自体はTrinity Studyとして2000年以前に考えられたもの、現代の日本でそのまま適用できるはずもなく。アメリカの4%ルールがインフレ率3%を前提にしているので日本のインフレ率1〜2%とすると5%ルールでも成り立つという考え方もありました。
FIREムーブメントのFIを実現してやりたいことをやる
自分はFIREのFIまで共感。前述の事例のような仕事を続けられなくなるほどの大きなストレスは無いですし、デザインを今後も続けていく予定なのでRetire Earlyは必要性を感じていません。(とはいえ45〜50では考えたい。)なのでFinancial Independence, Work things Want to do、FIWWのような感じでしょうか。
食べるための仕事を辞めて、その分の時間を自分のやりたい仕事、やるべき仕事に重点的に取り組める生活。今も複業という形で一部実現していますが、ネックになっているのが時間。どうしてもプライベートの時間を削りがちなのでFIを手に入れる事で最適化したい。
FIWWを実現するためにするべきこと
支出を抑え、貯蓄・運用に回す
基本的に浪費のために稼いでいるとFIは成立しません。
ただ少額まで切り詰めて節約していくのは長期的にストレスがかかり現実的では無いので、生活の楽しみを保ちつつ大きな無駄を省いていきたいところ。
- 車は持たない。年間維持費100万円削減の代わりにシェアカー、タクシーを最大限使う。こちらであれば結構な頻度で使っても月額10,000〜20,000円程度。
- 家、持ち家化して早期に清算、資産化。FIに近づいた段階で売却、転居。
- 嗜好品売却、清算(機械式時計、家具、ガジェット類)
- 月に2度は必ず贅沢。その代わり日々のお酒等の出費を無くして年間15万円の削減。
- 日々のコーヒー代、作業用カフェの削減 年間15万円
- 毎月強制貯金。50%の貯蓄率を目指す。
当たり前ですが50%の貯金率はn年続けるとn年FIに近づきます。家計から自動振り込みで200万貯金、複業から800万円分回し年間1,000万円資金を増やしていきます。75%貯蓄できるとn年間で(n*3)年間FIに近づきますが、さすがに無理かな。。
効果的かつ安全性の高い運用
FIで重要なのは増やした資金を適正な投資にかけていく事です。
こちらのブログによるとPete Adenyはインデックスファンドを活用しているそうです。
米国株式、S&P500、新興国の成長を期待するなら全世界株式という3つの選択肢を提案しています。米国株式で提案されている商品は、バンガードの「 The Vanguard Total Stock Market Index Fund(VTI)」です。
「FIRE」という経済的独立を獲得して早期リタイアする方法。

すごい、確かにThe Vanguard Total Stock Marketは10年間右肩上がり。USDでの投資になるので円安の今はやるべきではないですね。
株式、ソーシャルレンディング、外貨定期、ロボアド、実際日本で安定して4%を得るのはハードル高い。。。常時超えてくるのはソーシャルレンディングくらいですが、まだ投資比率を上げるほど信頼感がありません。ひとまず全体で年間100万円リターンを堅実に目指します。段階的に増やしてFIの時には年間300万円くらいを目指します。
長期的な収益計画、収益の柱の分散
段階的にFIを目指すためには収益の純増、安定化が欠かせません。
顧問契約、レベニューシェア、ロイヤリティ等。デザイン業も都度の委託料だけではない選択肢が増えてきています。ブログアフィリエイトも積み上がって年間15万くらいの収益。ほぼメンテはしていないので超効率的です。
こちらで投資だけではカバーできない部分も補完していく姿が日本でのFIへの近道になりそう。
FIRE試算表
複利等は入っていない簡易的なイメージを掴むためのものになります。