The Inevitable: Understanding the 12 Technological Forces That Will Shape Our Future
原題は「避けられない事」 私たちの未来を形作る12のテクノロジーの力。避けられない未来への流れ。日本語題のインターネットというキーワードは見当たらないが、冒頭に出てくる前インターネット時代、筆者の忠告にかかわらずインターネットに価値を見出せなかったテレビ局の経営陣のエピソードは印象的だった。20年前、フェイスブックもインスタグラムもアマゾンもなかったし、ビッグデータもクラウドもブロックチェーンも聞いたことがなかった、シェアリングエコノミーやオンデマンド経済の到来など考えもしなかった。
Magic Leap スクリーニングの未来
スマホって10年前にはなかった。では10年後は?
自分でもデザイン業務の中では未来を見越した先行開発プロジェクトも継続的に行っているけど、どうしても日々の新製品や新サービスに注目するあまり、近視眼的になっていると実感する。iPhone 8は2年後に非接触充電や有機ELディスプレイの採用で着実に便利な方向にアップデートされていく。しかし10年後、20年後という尺度で考えると、情報はスクリーンデバイスの所有という形ではなく、ウェアラブルMR(Mixed Reality)レンズによって空間全体に必要な時に必要なだけインタフェースが存在、人や社会とのインタラクションにより高度化されたAIが最適な情報をキュレーションしてくれる世界に否応なしになっていく。MicrosoftやAmazonはHololenzやAIサービスで直接的にプロトピアを進んでいる。AppleもTim cookのインタビューから考えても常に未来を見据えてiPhoneやApple Watchといったデバイスを中心としたサービスビジネスを次の形に転換しようとしているはずだ。
Panasonic Lifewall 未来生活ムービーには必ず出てくるスマート壁
テレビメーカーは何でも出来るデバイスを壁に作ったが情報が集約したのはスマホ(身体)だった
Panasonicが2008年にコンセプトデザインとして発表した壁全体をディスプレイにするLifewallは何年たっても結局実現せず(テレビを大きくする発想)、代わりに情報が集約したのはスマートデバイス(情報がより身体化)、そしてこれからはAR(Augmented Reality)、MR(Mixed Reality)だろう。S.F.には必ず出てくる空を飛ぶ車の代わりに一般化したのは「所有」から「Accessing / アクセスすること」へ価値を転換したUber。「Remixing / リミキシング」視点で〇〇+Uberという発想が他業態へも拡がり、そこから新たな発想が生まれていく。他にもビッグデータやクラウド、ブロックチェーン、シェリングエコノミー、次の変革はすでに源流が見えている。未来を見据えて今の生活を一歩便利にすることを考えたときに、本書の12のテクノロジーの切り口は既存の製品・サービス開発の延長戦ではなく、且つユートピア的な的外れコンセプトデザインではない、変革の価値を創り出す手助けになる。著者はKevin Kelly(ケヴィン・ケリー)。WIRED創刊編集長、現在WIRED Senior Maverick。現在は、毎月50万人のユニークビジターを持つウェブサイト Cool Tools を運営している。
以下はメモ:12のテクノロジーの力
1.Becoming / なっていく
2050の年寄りたちはあなたたちにこう語りかけるだろう。2016年当時にもしイノベーターでいられたならどんなにすごかったか想像できるかと。どんな分野のものもちょっとAI機能を付けて、クラウドに置いておくだけでよかった。当時のデバイスのほとんどには、センサーがいまのように何百じゃなくて1つか2つかしかなかった。その期待値や障壁は低かった。Protopia not utopia / ユートピアではなくプロトピアどんなものでもそのままの形を維持するのは付加的なエネルギーや秩序が必要。居心地が悪くない世界はユートピア。解決すべき問題もないが、チャンスもない。車が空を飛ぶユートピアはいまだに実現せず。考えるべきは継続的に発展していくための次の変化、プロトピア。ほんのわずかであっても、昨日よりも今日よりもよい状態である。テクニウム テクノロジーの生態系。2050 ホロデック、ウェアVRコンタクト、アバター、AI
2. Cognifying / 認知化していく
X+AI。AIの最初の成功はデジカメ。CCDセンサ+AIチップによる画像解析。投資、音楽、洗濯、マーケティング、不動産、看護、建設、オモチャ、スポーツスマートセンサとAIが微妙な動きや接触を感知することでスポーツゲームの審判や採点に新たな方法を実現できる。グーグル、僕らが本当に作っているものはAI。AIは自身の拡張、より人間らしい仕事に集中できるようになる。200年前、アメリカの70%の労働者は農場。現在はオートメーションで1%。新しい分野で産業が生まれた。ロボットとの競争はできない。ロボットに仕事を肩代わりしてもらい、本当に大切な仕事を頭に描くべき。
3. Flowing / 流れていく
コピーが無料になるとコピーできないものを売らなければならない。それは信用。ブランディング。・即時性・パーソナライズ 自分に合わせて演奏、上映、DNAにてきごうする薬、粘着性・解釈 全DNA情報はすぐに手に入るようになり、どう使えばいいかの解釈が高価なものになる・信頼性・アクセス可能性 保管する手間をかけず、簡単にアクセスできる・実体化 本は安いが、身体性を伴う講演やライブ・支援者・発見可能性流動の過程1.固定的希少 希少なプロダクトを専門的に作り出す2.無料どこにでもある コモディティか3.流動的共有される 分割か4.オープン、なっていく 再編集。素材活用デジタルメディアではりゅうどうか。仕事やインフラもじき。知識が物質を凌駕する。
Screening
スクリーンがどこにでもある世界
Accessing
世界最大のタクシー会社uberは車を1台も持っていない。Facebook コンテンツは1つも作っていないAirbnb 不動産は1つも持っていない所有することは昔ほど重要しじゃなくなっている。アクセスすることはかつてないほど重要になにも所有せずアクセス出来る世界非物質化1840 アメリカのGDP単位当たりに必要な物質 4kg1930 1kg キロ当たりのGDP 1977 1.64$ 2000 3.58$所有権の購入からアクセス権のサブスクリプションプロシューマー バグの改良、フォーラム、アドオンリアルタイムのオンデマンドTechshop , nerd block, spark box toys,Xのウーバー花 fliristnowクリーニング芝刈り mowdo 技術サポート、往診、合法マリファナeaze 、amazon home serviceより多くのモノが発明され製造されていくと、それを使える1日の時間は変わらないままなので、1つのプロダクトにかける時間はどんどん短くなる。ほとんどのプロダクトやサービスが短期利用になる。レンタルやシェアの対象へ。
Sharing
マイクロペイメント
Filtering
Remixing
伝統的な撮影はシーンごとに計画を立て、撮影され、山ほどのシーンから一本に組み上げられる。デジタルで常に書き直していく作家の文章のようになった。絵画や文章のように少しづつくみ上げられるものになった。ルーカスは最初に新井モックアップを使って撮影し、それを仕上げていく。写真はInstagram, 3DモデルはSketchup視覚リテラシーが最大化するのは発見可能性。グーグルのように全ての映画ライブラリを検索できる既存の素材を再構成、再利用ハリーポッターはそのままだが、熱心なアマツュアが何千ものファンフィクションバージョンが生まれることは不可避。これから30年間の間に生まれる最も重要な文化的作品や強力なメディアは最もリミックスされたもの
Interacting
より多くの感覚。視覚、音、温度、GPS、嗅覚。親密。没入ゲーム インタラクティブな自由意志へ人間の一生のうちに社会に破壊的変化を起こすプラットフォーム、最初はパソコン、モバイル、次はVR,AR未来では顔の前になにもつける必要がない。投射。
Tracking
ライフストリーム。車の動き、ハイウェイの交通、相乗りタクシー、
Questioning
Begeninng
より、広義のテクノロジーの未来を知りたい方にはKevin Kellyのベストセラー