LIFESHIFTを読んでの要約。
人生設計と時間の使い方を根本から見直す必要がある。変化を予期して行動する。
金額に換算できない無形の資産の重要性が増す。生産性(スキル、仲間、評判)、活力(健康、家庭生活、友人)、変身資産(アイデンティティ、ネットワーク、オープン性)。
「私は何者か」「どのように生きるべきか」問いに答えるために計画と実験、打ち込み。
1 長い生涯 長寿という贈り物
長寿化時代の人生には、様々な社会的変化が影響を及ぼす。ただ、本書ではその変化の中で自分がどうするか、どう計画するかをテーマに書かれている。アイデンティティ、選択、リスク。
2 過去の資金計画 教育・仕事・引退モデルの崩壊
1942年生まれのジャックは毎年所得の4.3%を貯蓄にまわせばよかったが、1971年生まれのジミーは17.2%を貯蓄しなくれはならない。1998年生まれのジェーンは100年以上生きる可能性が高く、3ステージ型人生は難しい。65歳で引退するためには毎年所得の25%を貯金しなくてはならない。長く生きる時代には、ほとんどの人はこれまでよりかなり長い年数を働かなくてはならなくなる。ジェーンの勤労期間は、ジャックより20年も長い。人生が長くなれば、働く年数を増やさない限り、十分な老後資金を確保することが極めて難しい。公的年金制度が持続困難になり、年金支給額が削減される国ではひときわ状況が厳しい。
3 雇用の未来 機械化・AI後の働き方
新しい産業とエコシステム
1910年、アメリカの働き手の3人に1人は、農家もしくは農業労働者だったが、今日、これらの職に就く人は全体の1%。2000年は雇用の半分をオフィス労働者が占めるようになった。このような産業の興亡は、歴史を通じて常に起きてきた。考慮すべき要素の一つは、人口構成の変化。高齢化により、長寿化や生物工学に関する医学研究が成長産業になったり、環境持続性に関して、温室効果ガスの回収や代替テクノロジーの開発産業が新たに台頭するかもしれない。
新しいエコシステムの登場
産業の興亡が活発になり、新しい企業が既存の大企業の座を奪うケースが増えていく。1998年生まれのジェーンの世代は、働いている産業や企業が激変に見舞われ、必然的に何度も職場を変える可能性が高い。大企業は消えはしないにせよ、構造は変わる。大企業の周囲に多くの中小企業や新興企業が集まる形態が増える。ビジネスのエコシステムが形成される。専門化していく仕事の中で、スキルを買いたい企業と働き手をつなぐ仲介の仕組みが重要になる。
「ギグエコノミー」フルタイムではなく、次々と多くの顧客の依頼を受けて働くことで生計を立てる。
「シェアリングエコノミー」AirBnbのように個人がお金を稼ぐ方法の柔軟性を高める。情熱を抱ける職につき、専門特化した小規模なチームで柔軟な働き方をする人は、仕事と私生活の境界線が曖昧になる。工業改善の社会では主に過程が生産活動の場だったが、将来は同じくワークとライフが再統合される。
スマートシティの台頭
インターネットが登場した当時、物理的な距離が重要性を失い自分の好きな場所で暮らせるようになると言われていた。実際には「遠さ」の弊害は問題ではなくなったが「近さ」の価値はむしろ高まっている。質の高いアイデアと高度なスキルの持ち主のそばに身を置くことの重要性が高まっている。柔軟な働き方が実践される最前線。人々は仕事する場所と時間を柔軟に選べるようになる。同じ関心を持つ人同士が出会いやすくなり、コミュニケーションもより手軽に、安価になる。多くの人が協力して問題を解決する余地も大きくなる。
仕事の未来:人間にしかできないこと
アップルのiPhone。製造コストが販売価格に占める割合は5-7%。アップルは販売価格の30-60%を得ている。工場の従業員が生み出す経済的価値は一人当たり2000ドル相当、アップルの従業員は一人64万ドル。経済的価値を生み出すのは製造ではなく、イノベーション。
4 見えない資産 お金に換算できないもの
無形の資産:優しい家族、素晴らしい友人、高度なスキルと知識、肉体的・精神的な健康に恵まれた人生無形の資産は、それ自体として価値があることに加えて、有形の金銭的資産の形成を助ける。よりよい人生を生きたければ、有形と無形の両方の資産を充実させ、両者のバランスをとり、相乗効果を生み出す必要がある。
4.1 生産性資産
スキルと知識
思考の柔軟性、敏捷性などのどの分野でも役に立つ汎用スキルと、
専門スキルを学び続ける。専門性は新しいテクノロジーや社会環境の変化で時代遅れになる可能性が高い。経験学習の重要性。机上の知識ではなく、実際の問題解決能力があるか。
仲間
ポッセ。同じ志を持つ仲間の重要性。
評判
評判の良さはスキルを変えながら長く働く時代において重要。SNS時代、職業上だけでなく、幅広い領域で自分のブランドと評判を管理しなくてはならない。
4.2 活力資産
健康
脳を鍛えるには日々の行動、コミュニティとの関わり方、人間関係の強さ、肉体的健康、食事が関係してくる
バランスの取れた生活
職場と家族の間の干渉の伝播はプラスもマイナスにもなりうる
自己再生の友人関係
職業上の土台ではなく、前向きな親しい友人とのネットワーク
4.3 変身資産
自分についての知識
ライフストーリー。人生の物語が一貫性を持つには継続性と因果関係の要素が必要。
多様性に富んだネットワーク
大規模で多様性に富んだ人的ネットワークは長期に渡り価値を生む。何を知っているかではなく、誰を知っているか。親しい友人グループは知っていることがだいたい同じ。緊密な関係にない知人は新しい情報を持っている。
新しい経験に対して開かれた姿勢
決まった行動パターンから、自分に対する理解を深めたり、外的な要因の影響で新しい生き方を意識的に模索する出発点になりうる。ルーチン・バスティング。
5 新しいシナリオ
6 新しいステージ
エクスプローラー
本やウェブだけでなく、人と顔を合わせ、理屈抜きの感情レベルの経験をすること。興奮、好奇心、冒険、探査、不安。一箇所に腰を落ち着けるのではなく、身軽に、俊敏に動き続ける。身軽でいるために金銭面の制約は最小限に抑える。
インディペンデント・プロデューサー
組織に雇われずに独立した立場で生産的な活動に携わる。
プロトタイピングで実験。何が有効で、何がうまくいかないか
物事を生み出す。それを通じて障害を克服できる行動思考の人物という評判を確立すること。
ポートフォリオワーカー
選択肢を維持するヤングアダルトたち
Young Aduslts Holding OptiOnS YAHOOS
様々な活動の組み合わせ。所得の獲得を主たる目的とする活動、地域コミュニティとの過河内、親戚の力、趣味を守る活動など。
「支出をまかない、貯蓄を増やす」「過去の経歴とつながりがあり、評判とスキルと知的刺激を維持できるパートタイム」「新しいことを学び、やりがいを感じられる役割」
様々な活動の間に相乗効果を生み出す。
7 新しいお金の考え方
8 新しい時間の使い方
レクリエーション(娯楽)からリクリエーション(再創造)へ
個人の発達の完成。過去100年は、商業化された娯楽の消費活動を中心とするレジャー産業が台頭したが、今後は個人レベルでの自己改善への投資活動に力を入れるレジャー産業が発達する。
9 未来の人間関係
経済的な面では、生産の補完性に変わり、消費の補完性が重要に
二人で一緒のほうが安い。リスクも分散可能。生産的資産も築くにあたり、生産の補完性が再び意味を持ち、役割分担が重要になる。
質の高いパートナー。長い人生での情緒面での支え、難しい決断にも意見と批判。長期に渡って相手と深く関わろうとする石、資源の分配の仕方を交渉して決めるためのスキルと能力が重要。