WORKSHIFT を読んでの要約

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WORKSHIFT を読んでの要約。

ディストピア/ユートピア両面の未来のストーリーから自分の仕事人生にとって何をシフトすることが必要か、様々な未来動向予想とそのことで発生する新たな選択肢を知り、考え直すことが出来る。

目次
ゼネラリストからスペシャリストへの転換の必要性はDesign ThinkngからDesign Doingにも通ずる。デザインという職制の中でゼネラリストになることが強みとなっていた時代は終わり、高いクリエイション能力が価値となっていく。もちろんこれまでのプロダクト、UIという括りでの専門性の重要性は薄くなり、新しいデザイン分野の専門性の重要度が増していく。

0.1 働き方の未来を予測する

一九世紀の中盤~後半の第二次産業 革命後の変化

産業革命によって職種が専門分化し、ピラミッド型の組織が形づくられるようになった。仕事が単純化、行為平準化してきた。

 今後数十年の間に起こりつつある正反対の変化

旧:ピラミッド型の組織と交換可能なゼネラリスト的技能新: 水平型のコラボレーション、磨き上げられたスペシャリスト的技能

0.2 好ましい進路を選び取るためには

・ゼネラリスト的な技能を尊ぶ常識を問い直し、専門技能の連続的習得で自分 の価値を高めていく

世界の50億人がインターネットにアクセスし、つながり合う世界が出現すれば、ゼネラリストの時代が幕を下ろす。未来に必要となる技能と能力を知り、柔軟に専門分野を変えて専門性を磨くことが求められる。

・セルフマーケティングで自分を売り込み、技量の確立

個人の差別化がますます 難しくなるなか、セルフマーケティングがより重要になる。

・個人主義、競争原理からコラボレーション、ネットワークへ

個が専門性を磨く時代、大事なのは人と人の繋がり、コラボレーションでより大きな課題にチャレンジすること。コミュニティがあることで新たなアイデアの源になるし、孤独な個ではなく精神的なバランスも保てる。

・職業人生の既成概念を捨てる

大量のモノを消費し続ける生活から質の高い経験と人生のバランスを重んじる生活へ。

1 未来を形作る5つの要因

1.1 テクノロジーの進化

テクノロジーの変化は常につながり続ける世界、いつも時間に追われる負の側面を生み出す。反面、協創とソーシャル参加が拡大し、主体的に気づく未来を引き寄せる要因にもなる。・テクノロジーが飛躍的に発展・世界の50億人がイオンターネットで結ばれる・地球上のいたるところでクラウドを利用できるようになる・生産性が向上し続ける・ソーシャルな参加が活発になる・知識のデジタル化が進む・メガ企業とミニ起業家が台頭する・バーチャル空間で働き、アバターが当たり前になる・人工知能アシスタントが普及する・テクノロジーが人間の労働者に取って代わる

1.2 グローバル化の進展

グローバル化の進展により、牧歌的な仕事は過去のものとなり、優秀な人材は世界で活躍。競争が激化し、人々がますます慌ただしく時間に追われるようになる。・24時間・週7日休まないグローバルな世界の出現・新興国の台頭・中国とインドの経済が目覚しく成長した・倹約型イノベーションの道が開けた途上国は先進国の製品の製造場所から、イノベーションの場所へ。・新たな人材輩出大国が出現しつつあるインドと中国の人口は26億人・世界中で都市化が進行する・バブルの形成と崩壊が繰り返される・世界の様々な地域に貧困層が出現する

1.3 人口構成の変化と長寿化

80歳代になっても生産的な活動に関わり続ける人が増える→90歳、100歳代まで生きるのが当たり前になり、生活の糧を得るために働き口を探さなければならなくなる協力関係を重んじる環境で育ったY世代の影響力が強まれば、仕事の世界でコラボレーションが活発になる。移住が盛んになれば特定の地域に有能な人材が集まり、イノベーションが加速する。→移住が盛んになれば、家族やコミュニティが引き裂かれる

1.4 社会の変化

根本の部分では人間は変わらない。マズロー。生理的欲求(食事・睡眠)→自分と愛する人の安全の欲求→愛されたい、コミュニティの一員となりたい→仕事の課題の達成感、評価一人一人の行動と選択で結果が変わる余地が大きくなる。・家族のあり方が変わる世界中で家族の規模が小さくなる。養子縁組や離婚・再婚で伝統的な家族のあり方が当たり前でなくなる。・自分を見つめ直す人が増える・女性の力が強くなる・バランス重視の生き方を選ぶ男性が増える・大企業や政府に対する不信感が強まる・幸福感が弱まる・余暇時間が増える。思考の余剰

1.5 エネルギー・環境問題の深刻化

・エネルギー価格が上昇する・環境上の賛辞が原因で住居を追われる人が現れる・持続可能性を重んじる文化が形成され始める

自分の未来予想図

以上の32の要素から自分自身の未来ストーリーを描き出す。それが自分の前にある選択肢について理解を深める出発点になる。未来に押しつぶされないキャリアを築くために、どのようなシフトを行う必要があるかが明らかになる。・不要な要素を捨てる・重要な要素に肉付けする・足りない要素を探す・集めた要素を分類し直す・一つの図柄を見出す

未来ストーリーの登場人物に必要とされるシフト

・広く浅い知識しか持たないゼネラリストから、高度な専門性を備えたスペシャリストへのシフト・孤独に競い合う行き方から、他の人と関わり協力し合う生き方へのシフト・大量消費を志向するライフスタイルから、意義と経験を重んじるバランスのとれたライフスタイルへのシフト

2 いつも時間に追われ続ける未来

ジルの2025年ロンドン、全ての活動が細切れとなり、世界中の同僚や取引先とやりとりをしながら仕事、世界中のライバルと競い合わなければならない。

2.1 時間に追われることの弊害

・専門技能を磨きにくくなる・観察と学習の機会が失われる・気まぐれと遊びの要素が排除される未来の世界で創造性を発揮する上で最良の方法は、仕事と遊びの境界線を曖昧にすること。仕事が情熱を燃やせる趣味であるとき、私たちは最も充実した仕事ができる。

2.2 時間に追われる未来を生む要因

・情報通信技術の飛躍的発展・クラウドの進化・バーチャル空間とアバター・人工知能アシスタントの普及・1日24時間・週7日間休みない世界

2.3 時間に追われない未来を作るには

①専門技能の習得に土台を置くキャリアを意識的に築
高度な専門技能は10000時間を費やして初めて身につくという説も

②あらゆることを自分でやろうとせず、人的ネットワークを築く。
それは精神的な自己再生コミュニティにもなりうる

③消費を追求する人生から、情熱的に何かを生み出す人生への転換
どういう職業生活を選ぶのか、思い切った選択、自由な意思に基づいて行動する覚悟があるか

3 孤独にさいなまれる未来

生身の人間と接する機会のない未来

3.1 同僚との気軽な関係の消滅

仕事に関して多くの人が重んじる要素は同僚との関係。2025年の世界では顧客も仕事仲間も世界中に散らばっている。一緒にプロジェクトに取り組む同僚がオフィスで隣に座っているとは限らない。

3.2 どうすれば孤独の罠に陥らずにすむのか

未来の世界には、孤独にあくせく競い合うのではなく、他の人と繋がりながらもっとイノベーション精神を発揮できるようになる可能性がある以下は大切な人的ネットワーク・ポッセ 同じ志を持つ仲間を持つ少人数の仲間・ビッッグアイデア・クラウド 多様性に富んだ大人数のネットワーク・自己再生のコミュニティ 頻繁に会い一緒に笑い食事を共にする仲間

4 繁栄から締め出される未来

未来の世界では、どこで生まれたかではなく、才能とやる気と人脈が経済的運命の決定要因になる。たとえアメリカや西ヨーロッパに生まれても、聡明な頭脳と強い意欲の欠けている人は下層階級の一員になってしまう。

5 コ・クリエーションの未来

ダイバーシティはモノカルチャーを凌駕する

問題解決のプロセスでは多様性が大きな強みになる。第二次世界大戦時にイギリスなどの連合軍がドイツ軍の暗号「エニグマ」を解読したプロセスでは、数学者や暗号学者だけではなく、様々な専門分野のエキスパートが集められた。エンジニア、言語が記者、道徳哲学者、古典学者、古代史学者、クロスワードパズルの達人まで。regeneration / rethink / renew / regenerate

6 積極的に社会と関わる未来

自分たちのやっていることを愛している。仕事とそれ以外で大切にしたいことのバランスを取り、両方をブレンドするために、主体的に選択を行う。それに伴い生活水準とライフスタイルの常識を変える。子供達と一緒に過ごす時間と、大好きなバングラディッシュの村を支援する時間を確保するのと引き換えに、広いマイホームとマイカーを諦めたなど。

7 ミニ起業家が活躍する未来

2025年には、世界中で何十億人もの人たちがミニ起業家として働き、他のミニ起業家とパートナー関係を結んで、相互依存しつつ共存共栄するエコシステムを築く。大企業で働くか企業に属さずに自分でビジネスを行いたいのか、会社に雇われないで生きるには専門技能に磨きをかけ、他の人と連携してイノベーションを推し進める能力を身につけることが不可欠。70歳代まで生産的に仕事を続けたいのであれば、自分のエネルギーを様々な活動にどのように割り振るかが重要となる。どこで暮らしたいか、世界の様々な地域で、グローバルな市場と結びついて生きることが可能になる。

8 第一のシフト ゼネラリストから「連続スペシャリスト」

未来の世界では浅い知識は用をなさなくなる。多くの分野について少しづつ知っているのではなく、いくつかの分野について深い知識と高い能力を蓄える。

専門技能の連続的習得

未来の世界でニーズが高まりそうなジャンルと職種を選び、高度な専門知識と技能を学び続ける価値を生み出せるか、稀少性があるか、真似されにくいか①生命科学・健康関連②再生可能エネルギー関連③創造性・イノベーション関連④コーチング・ケア関連仕事が遊びになるのは、普通はやらないことをする場合、普通やっていることをやらない場合、物事を普通より極端にやる場合、社会生活の普通のパターンをひっくり返す場合。

セルフマーケティング

自分の能力を取引相手に納得させる材料を確立する。多くのライバルがひしめき合う市場では、個人も自分の「シグネチャー」を明確に打ち出す必要がある。

①自分の手がけた仕事が誰の目にも自分の仕事とわかるよう、明確な特徴を持たせる。積極的に評判をマネジメントする

②弁護士や医師のような専門職に習い、ギルド(バーチャル・ギルド)を作ること。

③キャリアのもアイクを作り、カリヨンツリー型のキャリアを描く

9 第二のシフト 孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ

・ポッセ 同じ志を持つ仲間を持つ少人数の仲間自分の関心テーマを公の場で表明する。他の人たちは関心が重なり合うかどうかがわからない。・ビッッグアイデア・クラウド 多様性に富んだ大人数のネットワーク・自己再生のコミュニティ 頻繁に会い一緒に笑い食事を共にする仲間住む場所を選ぶ・土地の物理的な美しさ。自分らしく生き、自分を自由に表現し、自分の個性を育めること。他の人と知り合い、友達になりやすい徒歩圏、オープンな土地。自然に友達ができやすい土地で生活できる。時間をことごとく奪われるのではなく他の人と会話する時間とゆとり。金と権力を価値観の中心に捉えない。

10 第三のシフト 大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ

1874年、アメリカの平均的な家庭は所得の56%を食費に使っていた1901年には47%まで下がり、食品以外の消費に金を使う余地が広がった消費からシェアへ。職業人生を通じて、自分が興味を抱ける分野で高度な専門知識と技能を習得し続けること。第二に、友人関係や人脈、人間関係を育む。強い信頼と深い友情で繋がる少人数の友人、自分とは違うタイプの大勢の人たちと繋がりを持つ。第三は所得と消費を中核とする働き方を卒業し、創造的に何かを生み出し、質の高い経験を大切にする働き方へ転換する。

 

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