VECTARYはWEB上での3Dモデリングサービスを提供するプラットフォーム。
βテストから使用していたのだが、最近UI・UXが充実。3Dデザインの教育用途はもちろんブラウザ型3DCADという新しいジャンルで使えるサービスになってきた。
VECTARYの概要
ブラウザ型3DCADプラットフォーム。アプリのインストールの必要なく、ブラウザ上で全ての操作を完結することができる。Fusion360は一部クラウド型のレンダリングやファイル管理、シェアを取り入れたCADだが、VECTARYは全てがブラウザ上で完結するのが大きな特徴。
操作もこれまでのCADのように細かな数値定義を行うものではなく、より直感的なスライダーのドラッグ操作で行えるユーザーインタフェースを備えている。
2016年6月にパブリックベータ公開、同12月にサービス公開された。
CEOで協同ファウンダーのMichal Koorはこう語る: “工業デザインの仕事をしながら、デザインをもっと効果的にやりたいと考えていた。そこで余暇時間には、デザインをパラメータで制御できるツールを開発していた。たとえばスライダーをちょっと動かすだけで形状を変えたり、またそれに対する対話的なフィードバックが得られるようなやつだ。さらにその後、この方式にコミュニティが組み合わされば、誰もが容易に3Dモデリングを始められるようになる、と悟った”。
3DプリントやVRのための3Dデザインを簡易化大衆化したいVectaryがシードで$2.5Mを獲得しニューヨークへ引っ越し
カスタマイジング・エコシステム
全てのプラットフォームがオンライン、ブラウザ上にあることで、上のイメージのようにある人が公開したデータに対して改造が進められていくエコシステムも魅力の一つ。工業製品のためのCADではなく、データをシェア、発展させていくエコシステム的な役割が大きい。
解説動画付きチュートリアルで初めて使う障壁がなくなった
実はパブリックベータに登録して使ってみていたのだけど、UIが普段使っているFusion360やRhinocerosとは異なるので始めにつまづき、その後使えていなかった。
久しぶりにログインするとステップバイステップのチュートリアル動画が追加されていて、短時間で操作を習得できた。かなり直感的な操作ができそうなシンプルなインタフェース。
レイヤー、サーフェス、ポイントに対して、選択すると上記のコントロールダイヤルが出てきて、移動や回転、拡大縮小ができる。数値管理も可能だ。履歴機能は今の所発見できていない。
NURBUS形状も一発で作れる。
超優秀なプラグイン
まだ数は多くないが、魅力的なプラグインが備わっている。
Wheelsはプリセットやパラメータ調整でかっこいいホイールを作れる。
Shapewaysプラグインはインタラクティブにモデルの価格や注文プレビューができるのは地味に革新的。これまではいちいちSTLに書き出してアップしなければならなかった。
Google Fontsプラグインは3D文字をすぐに作成することができ、カスタマイズの初歩編として使えそう。別のプラグインでBoolean演算もできるので、凹文字表現もすぐにできるはず。
ブラウザとは思えない完成度
イメージとしてはFusion360でもRhinocerosでもなく、Lightwave3Dのような使い心地。かなり直感的にモデルのイメージを作ることができる。
サーフェスモデリングなので3Dスキャンにも最適
VECTARYはCATIAやCREOのようなソリッドモデリングではなく、Rhinoceros3Dに近いサーフェスモデリング型と言えるだろう。3Dスキャンしたデータをある程度修復する機能も付いているよう。実際3Dスキャンしたメッシュデータはソルッドモデリングソフトに持っていくと編集が大変。。Meshmixerが唯一の選択肢だったがこちらはVECTARYが良いオプションになりそう。