3D PRINT x EDUCATION 教育現場での3Dプリント調査

北米教育現場で使われる3Dプリントサービスや取り組みの実例を調査。

社会背景

北米ではオバマ政権の元、STEM教育への投資が2009年から行われ、教育機関や図書館への3Dプリンティング機器の導入など、インフラ整備が進んできました。

残念ながら日本では2020年の新学習指導要領にようやくプログラミング教育が盛り込まれた程度で、STEM教育の面では完全に出遅れています。

オバマ大統領は2009年の就任時に「We‘ll restore science to its rightful place」 と演説

オバマ政権が科学のあるべき姿を回復するために科学技術イノベーショ ンに注力してきたことを強調。2009年からの革新的教育キャンペーンの結果、K-12(幼稚園~高校)の STEM教育の向上に10億ドル以上の民間投資投入。

オバマ大統領「“オタク”になることが、国に貢献するベストな方法だ」

GEはAdditive Education Programの一環として数百台の3Dプリンタを支給する1000万ドル規模の投資を発表

AEPは、STEAM(科学、技術、エンジニアリング、芸術、数学)教育プログラムの一環として、世界中の一部教育機関向けに、3Dプリンタと関連補助金を支給するため5年間で1000万ドルを投資すること発表している。このプログラムでは、今年後半までに選定された一部(米国、英国、カナダ、中国、ドイツ、インド、スペインなど)の小中学校に400台以上の3Dプリンタパッケージと、STEAM教育カリキュラムを提供する。http://idarts.co.jp/3dp/ge-additive-education-program/

STEM教育とは

STEM教育(ステムきょういく)とは、”Science, Technology, Engineering and Mathematics” すなわち科学・技術・工学・数学の教育分野を総称する語である。高等教育から初等教育・義務教育までの広い段階に関して議論される。科学技術開発の競争力向上という観点から教育政策や学校カリキュラムを論じるときに言及されることが多い。また、労働力開発や安全保障、移民政策とも関連がある。Wiki

イギリスでは、2014年に、世界に先立ってプログラミング学習の必須化を実現

5歳〜7歳の学年ではモノの構造と3Dプリンターなどの機器の使い方が教えられる。
7歳〜11歳の生徒はスイッチや電球、ブザーやモーターなど実際に電気を使って動くモノづくりを体験してもらい、同時にコンピューターから制御する方法も学ぶ本格授業。
11歳〜14歳の中学生はスケッチ方法、モノづくりの詳細な計画立案、3Dモデリング作業、アイデアからデザイン化する方法、といった製品開発に関する一連の流れを学び、同時にプレゼンテーション方法も学ぶ。

http://think-papa.com/stem-nanda/

Makerbot / Thingiverse

3Dプリントをコンシューマーに初めて大規模に届けた本家Makerbot。教育市場へ向けた取り組みも幅が広いです。

  • プラットフォーム:3Dプリントプロジェクトの共有プラットフォームThingiverseを活用したThingiverse Education
  • コンテンツ :教育者へ向けた無料のWebinar、ガイドブックの提供。
  • ハードウェア:そしてもちろん3Dプリンターの提供。EDUCATION BANDLEという教育特化パッケージを準備しています。
Speedy Architect Project https://www.thingiverse.com/thing:1682347
Project: Nameplate Generator with OpenSCAD https://www.thingiverse.com/thing:876282

Thingiverse Education

Thingiverse Education provides over a hundred free lessons that make teaching with a 3D printer easier and more effective for a variety of grade levels and subjects. It also provides a community where educators can exchange best practices or remix projects.

Thingiverse Educationは3Dプリントをより効果的に習得できるよう、バラエティに富んだレベルや種別に分かれた100以上のフリーレッスンを提供しています。同時に、教育者がリミックスしたプロジェクトを共有できるコミュニティを提供します。

https://www.thingiverse.com/education

OpenSCADによるカスタマイジング

OpenSCADは3Dモデリングを行うためのプログラミング言語。基本的な図形である球や多面体等を組み合わせてモデリングを行える。

ThingiverseにはOpenSCADのパラメーター調整機能が組み込まれており、カスタマイズする余地を残したモデルをアップロードし、共有することができる。

Customizable Container with Knurled Lid https://www.thingiverse.com/thing:612709

こういったコンテナの大きさを調整したモデルを作れたり、文字入れが出来たり。逆に作り込まれたデザインに対するカスタマイズには向かない。そもそもOpenSCADはジオメトリックな構造モデルには良いが、複雑な形状には向かないけど。

Inspire, Engage, and Prepare Tomorrow’s Innovators

このキャッチフレーズとビジュアルが良いですね。これまでのテキストブックではなく、実体のある3Dプリンティング。

MAKERBOT EDUCATORS GUIDEBOOK – The Definitive Guide to 3D Printing in the Classroom

3Dプリントを活用した授業を考えるためのガイドブック。エンジニアリングの基礎、パラメーターを調整することでどういった効果があるかなど、実物を触る中で実践的に学ぶことができるプロジェクトがいくつも掲載されている。

プロジェクトの一例。ARCHIMEDES SCREW。紀元前3世紀にアルキメデスが考案したネジ構造による排水、運搬装置を題材にしたモデル。教師側が準備するもの、3Dプロジェクトファイル、モデルの編集方法、実験による検証など授業内容がパッケージングされていて、3Dプリント教育には最適な教材。

https://www.makerbot.com/educators-guidebook/

stratasys

主に工業用の大規模3Dプリンターを製造するstratasys。Makerbotと同様に、3D Printing Project-Based Learning Modulesという教材を提供しています。

 

3Dプリンティングが教育に役立つ10個のシーン

10 Ways 3D Printing Can Be Used In Education [Infographic] https://www.teachthought.com/technology/10-ways-3d-printing-can-be-used-in-education/
1. エンジニアリングを学ぶ学生がプロトタイプを作る

2. 建築を学ぶ学生がデザインした建築モデルを作る

3. 歴史の授業で歴史的な遺産を実験・検証のためにプリントする用途

4. グラフィックデザインを学ぶ学生が、3Dバージョンのアートワークを作る用途

5. 地理・地学を学ぶ学生が地形や人口統計、人工地図を作る用途

6. 料理を学ぶ学生が調理用の型を作る用途

7. 自動車工学を学ぶ学生が既存のパーツの修正、改善したデザインを試す用途

8. 科学を学ぶ学生が分子の3Dモデルを作る用途

9. 生物学を学ぶ学生が、細胞、ウィルス、生物学的な成果を作る用途

10. 数学の学生は、スケールモデルから都市のインフラストラクチャーデザインの課題に至るまで、自分の学習空間で解決するための問題を作る用途

「ものづくり」と「ものがたり」Fabble

Fabbleは、「文脈やストーリーと深く紐づいたモノづくり(FAB)」プロジェクトのための、共有ウェブサービスです。 モノづくりのプロジェクト全体の進行を管理し、モノづくりの知識やその背後にある物語を、さまざまな粒度のコミュニケーションを通して包括的に記述・保存・蓄積・伝達していくことを支援します。

慶應義塾大学SFC研究所、mozilla JAPANによるプロジェクト。

Fab3D

Fab3Dは、3Dデータ(STL)の総合検索ナビゲーションです。 文部科学省・革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)に採択された「感性とデジタル製造を直結し、 生活者の創造性を拡張するファブ地球社会創造」の研究プロジェクトのひとつとして、 慶應義塾大学ソーシャルファブリケーションラボが試験的に運用しています。