先日のGoogleのリアルタイム翻訳イヤホンPixel ear budsに続き、2017年11月10日LINEから発表されたClova搭載のスマートイヤホン。いつの間にかリアルタイム翻訳デバイスのプレイヤーが揃ってきました。
充電器までしっかりとデザインされていて、実証実験向けではなく、このまま製品版として製造されるであろう完成度。
ラグのない滑らかな翻訳シーン、これが本当だったらすごい
プロモーションムービー中ではほぼリアルタイムの翻訳を実現している。これができるのであれば本当にすごい。先日Googleから発表されたPixel ear budsですらラグはあったので。
翻訳のほか、Clovaによる音声操作やノイズキャンセリングも
ムービー中にはノイズキャンセルで相手との会話に集中したり、Clovaでタクシーを呼ぶシーンも入っている。ノイズキャンセリングは確かに強力な訴求ポイントになりそう。雑踏で話していても相手の話したことがクリアに翻訳されて聞こえるのは新たな価値体験。
海外勢に追い越される日本の翻訳端末への取り組み
先日の記事でも触れましたが、日本では総務省が主導する「グローバル・コミュニケーション計画」で、多言語音声翻訳システムの社会実装を特に2020東京五輪までに目指している。翻訳エンジンの開発は情報通信研究機構NICT、スマホやタブレットでのアプリを提供している。
ただ、取り組みに参画する各社の開発スピードは遅く、未だ実証実験向けの試作品の域を出ない。製品化されるのはいつのことやら。。そもそもメーカー的には役所とのおつきあいで予算を獲得しているだけで、製品化する気もないのかもしれない。
先行しているili。一方向のみの限定された翻訳機能が辛い
2016年に発表されたili、GLOBAL WiFiとの協業レンタルサービスや、別府市との実証実験など日本勢の中では一歩抜きん出た存在。
レンタルして試してみたが一方的にしか翻訳することができない機能が、今日の翻訳端末としては機能的に劣って見えてしまう。現状、自分の話したいことを訳すことしかできず、相手が話した内容は知るすべがない。双方向の翻訳機能の実装が待たれる。
50言語対応でコンシューマー市場へSORCENEXT POCKETALK
世界50言語を双方向で翻訳できる、対面コミュニケーション専用デバイスPOCKETALK。2017年12月に市場投入予定。日本勢では最も早く一般コンシューマー市場投入する製品となりそうです。
といっても製品はオランダのTravis社のまま。ソースネクストは日本での輸入代理店といった位置づけでしょうか。言語ライブラリ等もTravisのものをそのまま使うのでは。
こちらはTravisのプロモーションクリップ。タイムラグはありますが、50言語対応しているのはぜひ試したい機能。イタリア語やスペイン語へも変換できるのは便利。
急遽、プレイヤーが揃ってきたリアルタイム翻訳市場
海外勢の発表している製品、サービスの内容を見ていると完全に日本の技術、製品は置いていかれている状態。
Google、Lineは製品を早めに市場投入することで、2020年までには各社市場での膨大な翻訳フィードバックから強力な翻訳ライブラリを作り込めるでしょう。限られたフィールドで実証実験を行っている日本勢は、、、
ここ数ヶ月の盛り上がりから見ると、何年後かにはほぼ完全にリアルタイムの翻訳サービスが提供されて、多国語を学ぶ必要がない社会が予想よりずっと早く実現するかもしれません。